BIツールの活用で帳票作成時間を短縮しデータの多角的な分析を実現
株式会社不二家様
- 背景・課題
- 既存のBIツールは操作が難しく、操作できるユーザーが限られていた
- 帳票作成を手作業で行っていたため、負担とミスが多い
- 集積する情報が限られており、分析できる範囲が狭い
- 導入ポイント
- Excelとの親和性が高く、データ活用が容易
- 直観的な優れたユーザビリティであること
- 短期での開発が可能でコストが抑えられる
- 効果
- 本来の業務に集中できるようになった
- 業務効率が改善され、コスト削減に成功した
- ミスや負担が減り、分析精度が向上した
2007年3月、事業戦略の転換と不二家ブランドの強化ためにパンメーカー最大手の山崎製パン株式会社と業務資本提携を締結し、事実上の傘下となった。新しい経営体制のもと、価格戦略の見直しや山崎製パンの販売網向けの商品提案、新店舗の出店を進めている。また安全安心の追求にも積極的だ。品質管理のノウハウとして「AIB」と呼ばれる異物混入未然防止等の食品安全管理の基礎となる適切な清掃活動などを中心とした手法を取り入れた。
業務資本提携以来、さらなる成長を目指して積極的な戦略展開を進めている同社は、シナジー効果を活かし売上を伸ばしている。その売上を支える仕組みの1つとして重要な役割を果たしているのが、販売情報システム「FESTA」だ。FESTAは洋菓子チェーン「不二家」と不二家系のレストランから集められた販売関連情報を分析できる。簡単な操作から詳細な経営分析を迅速に行うことで経営戦略に貢献している。
使いにくい情報分析ツールが迅速な経営判断と多角的な分析の妨げに
不二家では山崎製パンとの業務提携を契機に情報分析システムを刷新した。そこには仕入れ担当者や経営関係者が情報収集や資料作成にかける時間を大幅に削減することで本来業務への影響を小さくするという目的があった。10年以上前から不二家は他社のBIツールを基盤としたシステムを利用していた。ところが従来のシステムでは分析時に大きく3つの課題があった。
不二家の担当者は3つの課題を次のように語った。
「まず分析用データを抽出するまでの操作が難しく、操作できるユーザーが限られていた。次にExcelに出力したデータから帳票作成する作業を手作業で行っていたため、負担の多さとミスが問題であった。さらに店舗などから集積する情報が限られ、分析の幅そのものが限られていた。」
これにより生産計画や商品調達計画を策定する際の分析結果の確認に時間を必要とした。システム面でも各店舗やレストラン、本部などから個別にさまざまなデータ要求があり、帳票作成に多大な時間がとられていた。また有益な情報を出力して加工すること自体難しく、ユーザーのスキルに依存していた。
WebQuery/Excellentを基盤に構築。実績・開発コスト・拡張性を評価
これらの課題を解決するため、不二家は2008年5月に情報分析システムの刷新を検討。山崎製パンがWebQuery/Excellentを基盤とした情報分析システムを活用していた実績から、2008年8月に同様の情報分析システムの導入を決定し、新情報分析システム、FESTAの開発が始まった。
システムコンサルタントの開発担当者はWebQuery/Excellentを基盤とすることのメリットについて次のように語る。
「まず短期開発が可能で開発コストが抑えられる。短期開発が可能だということは、要望に対して迅速に対応できるということでもある。他にも蓄積情報の活用範囲の広さや分析ニーズに対応する拡張性の高さも強みである。」
開発は順調に進み、2009年3月に8か月という短期間の開発を終え、FESTAの運用が始まった。
帳票作成までにかかる時間を大幅に短縮、より多角的な分析が可能に
導入の効果について不二家の担当者は次のように説明する。
「導入後すぐに効果を実感できた。これまではスーパーバイザーが発注を行う時に売上データをExcelに出力し、それを手作業で加工して帳票を作成しており、転記ミスの確認だけでも多大な時間が必要だった。それが今では簡易検索画面で条件をいくつか指定して実行するだけ。このシステムにより業務効率が格段に改善され、本来の業務への集中できるようになった。」
FESTAではWebブラウザから作成したい帳票を選択し、「期間」や「エリア」などの条件を入力してExcel出力ボタンを押すだけでExcelの帳票まで作成できる。また定型帳票以外においても、商品の販売実績や納品実績の明細データを「店舗別」・「製品別」など充実した分析の切り口から選択し、出力ボタンを押すだけで簡単に資料を作成できる。
不二家の担当者は「『セール期間で売上がどれだけ上がったのか』、『店頭販売する商品をいくつ仕入れればいいのか』などの情報を今までよりも簡単に把握できるようになった。分析の切り口が増え、状況が分かるようになったことで、業務のあり方を調整することが可能になった」と語る。
利用範囲の拡大でさらなる成長へ
今後の展望としてシステムコンサルタントの営業担当者は「汎用検索機能を十分に活用して頂けるよう、業務に沿った教育を提案していきたい。汎用検索は使い方次第で利用範囲を拡張できる。FESTAを起点として、業務の見える化をもう一歩進めることができる。」と話す。
WebQuery/Excellentをベースにした情報分析システムの刷新により、 業務の効率化・分析精度の向上に成功した。今後システムの利用範囲が広がれば、業務の質はますます向上していくだろう。
サービスの概念図
会社概要
株式会社不二家
(左)経理本部情報システム部課長 後藤公伸氏
(右)洋菓子事業本部事業管理部 松野光孝氏
設立: | 1910年11月 |
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本社: | 東京都文京区大塚2-15-6 |
資本金: | 182億円 |
URL: | http://www.fujiya-peko.co.jp/ |
ユーザー: | 各エリアのマネージャーであるスーパーバイザーおよび営業、企画本部(200人~300人) |
サーバー: | Windows Server 2003(Oracle 10g) |
導入DB: | Windows Server 2003 |