導入事例

BIツールで帳票作成業務の負担を軽減し迅速&正確な情報提供を実現

株式会社河合塾マナビス様

※情報は取材当時のものです
株式会社河合塾マナビスは「すべては一人ひとりの生徒のために」という理念のもと、河合塾のトップ講師陣による「高品質な映像授業」や自立した学習姿勢を育みひとつ上の現役合格へ導く「親身な学習ナビゲーション」、予復習の仕方や計画の立て方が確認できる「学習システム」など、着実に成績をあげるための環境を全国の高校生に提供している。河合塾に通えない遠隔地や部活などで忙しい高校生のニーズをくみ取り、2006年の会社設立以来そのビジネスは右肩上がりで成長。直営校舎・フランチャイズ校舎を合わせ、全国に約300校舎を展開している。
  • 背景・課題
    • 全国の校舎に公開する売上帳票の作成業務にExcelを用いた手作業が多く、IT担当者の負担が大きかった
  • 導入ポイント
    • データ集計・帳票出力機能
    • 事業形態やユーザーの立場ごとのアクセス制御
    • 機能と価格のバランスの良さ
  • 効果
    • IT担当者の帳票作成業務への関与を大幅に削減
    • 迅速かつ正確な情報提供が可能に
    • IT担当者が不在の土日でも帳票出力・活用できるように

属人的な帳票作成業務が大きな負担に

各校舎の営業や運営管理を支援する手段として、業務システムに蓄積された入会状況や受講状況などのデータを日報・週報・月報として帳票に出力して活用していた。しかし近年の校舎数の増加により、ExcelとAccessを駆使して行う帳票作成業務が担当者の大きな負担となっていた。

帳票作成業務を知る石井氏はその作業を次のように語った。
「毎週火曜日に週報の帳票を作成し、同じ日の経営会議でも帳票を利用していましたが、作成の作業量が多く、朝8時に始めても午後2時までかかっていました。Accessから出力したデータをExcel帳票の複数のシートに張り付けていって最終的な帳票が完成するという流れなのですが、同じことを何度も繰り返す必要があってとても非効率な作業でした。」

それだけではなく帳票完成後に各校舎に提供する作業にも課題があった。
「本部と直営校舎向けの帳票は共有フォルダーに保存するだけなのは良かったのですが、フランチャイズ校舎向けのものはフランチャイズ校舎に提供するためのWEBシステムの仕組み上、いったんCSV化する必要があったり、一部のフランチャイズ校舎には帳票にパスワードを掛けてメールで送る必要があったり、作成して提供するまでは気が狂うくらい大変でした(笑)」。

この他、情報提供のスピードと情報の精度にも課題があった。
「帳票の作成が遅れて経営会議の時間に間に合わなかったり、遅れが大きい場合には校舎からクレームが来たりすることがありましたね。それにフランチャイズは別法人のため、情報の精度はより一層シビアに考えるべきですが、手作業だとミスが起こりやすく限界がありました」

ちょうどいい機能と価格を評価

そこで2016年春、属人的で負担の大きい帳票作成業務を見直すべく、システム化の計画が始まった。導入するBIツールが決定したのは2016年秋。WebQueryを含めて3つの製品から選定された。WebQueryに決定した理由について、システムの計画から運用まで携わる宗田氏は次のように説明する。

「BIツール選定の条件は大きく次の三つが挙げられました。一つ目がこれまでの業務で利用している帳票を作成できること(帳票作成機能)、二つ目が直営校舎とフランチャイズ校舎といった事業形態やユーザーの立場ごとに公開する情報を制御できること(アクセス制御機能)、三つ目が機能と価格のバランスの良さです。他の2製品の価格は何千万円と予算を超えていたし、高機能なぶん複雑でした。やりたいことはそこまで細かくなかったので、WebQueryの機能ぐらいがちょうど良かったです。」

2016年12月にシステム化の内容が決定。現行の基幹系システムとは別に、情報系システムとしてWebQueryでデータを活用するためのデータベース環境を構築、WebQuery/FreeWayを導入した。

そして翌2017年1月からはデータの蓄積を開始。これと同時にスタートした帳票約10パターンの開発は約2か月で完了した。同年3月には本部と直営校舎向けにリリースし、4月にはフランチャイズ校舎向けにリリース。現在の利用状況について宗田氏は「業務を進めていく中で必要になった帳票は随時作っていて、活用している帳票は30~40個ありますね。利用者数は各校舎で3~4人はいるので1,000名弱です。本部や校舎で働いている方が、営業や運営管理のために利用しています」と説明を続けた。

管理業務での利用について石井氏は「本部では経営会議で全校舎データを見ています。フランチャイズ事業ではフランチャイズ校舎を管理するスーパーバイザーが見たり、直営事業では直営校舎ブロックのブロック長が見たりしています」と補足した。

毎週半日を要する作業が30分まで短縮

導入の効果について石井氏がその手ごたえを語ってくれた。
「帳票作成業務のスピードがとにかく上がりました。なにせ朝8時から午後2時までかかっていた週報の出力が、今は30分かからないですからね。30分かかっていた日報の出力は、今はワンクリックで印刷を含めても3分。年間で考えれば相当な時間を短縮できています。あとは過去の実績もデータベース化されているため、1年を振り返るときにもデータを楽に出せるようになりました。それにユーザーや経営陣から要望もあがるようになって、その要求に合わせて作成できています。WebQueryで対応できているので、そういう意味では万能なんでしょうね。経営企画としてはやりやすくなりました。」

さらに宗田氏もその効果を強調する。
「決められた時間に帳票を出力できるようになりましたね。手作業によるミスもなくなって、数字も自信を持って出せる精度になりました。」

ユーザーへのヒアリング結果について宗田氏が次のことに紹介してくれた。
「土日は本部が休みのため、校舎は開校していても以前は帳票を利用することができませんでした。そのため、毎日利用できるようになったことへの声が多かったですね。『毎日日報が出力できるので、出勤時に必ず日報を出力して印刷をするフローを校舎内で確立できた。すぐに出力できるのでありがたい』、『土日も日報が出力できるところが良い』『いつでも見たい時に見られるようになった』などといった声があがっています。」

営業業務における帳票イメージ

営業業務における帳票イメージ

今後はWebQueryを分析ツールとして他部門でも活用

その後もWebQueryを他部門へ展開するなど、取り組みを進めている。

「これまでは経営管理部門かシステム部門が帳票の作成と提供をしてきましたが、今やろうとしているのは販促部門や教務部門、運営管理部門でのデータ分析の促進です。この各部門に1人は分析ツールとして使える担当者をつくろうとしています。WebQuery定期セミナーに出席して使い方を覚えてもらい、その後、社内データの活用について独自のセミナーを行いました。今は各部門で試行錯誤をしているところです。」

WebQueryで業務の効率化を実現し、さらにデータ活用の促進にも積極的に取り組む河合塾マナビス。しかしこれからも成長していく上で特に大切なことは、IT化ではなく信頼され続けることだと石井氏は締めくくった。

「IT化とかではなく生徒さんを大切にするという理念が大事で、希望の大学に合格させるということに尽きると思います。そこをしっかりすれば信頼される塾になり、成長もしていくと考えています。」

会社概要

株式会社河合塾マナビスの皆様
(左)経営管理部経営企画管理課 石井健志 氏
(右)IT推進部IT推進課 宗田宣昭 氏

設立2006年12月1日
本社東京都千代田区六番町5-14
六番町武田ビル
資本金1億円
従業員数259名(2018年3月31日現在)
URLhttps://www.manavis.com/
ユーザー本社および直営校舎、フランチャイズ校舎
サーバーアマゾンウェブサービス(AWS)
OSWindowsServer2012R2
導入DBOracle11gR2