高いセキュリティ要件に対応したBI運用基盤の再設計
~テレワーク対応の承認フローとSnowflake 連携を実現~
個人向けには高水準の金利が特徴のインターネット専用預金「eダイレクト預金」や不動産投資ローン、カードローンを展開している。
法人向けには主要都市の拠点を中心にオーダーメード型の融資や法人向け預金サービスを提供している。
また信託部門では、金銭債権や不動産の流動化に関する信託サービスに加え、金銭信託商品も取り扱っている。
オリックス銀行株式会社は、2026年8月に大和証券グループである株式会社大和ネクスト銀行の完全子会社となり、現在、オリックス株式会社との間に資本関係はありません。
当社は、一定期間、現在の商号を継続して使用する予定ですが、これはオリックス株式会社が当社の事業に関与することを示すものではありません。

- 導入背景
- データ活用の分断構造
- 操作性の課題
- 承認プロセスの非効率化
- 導入ポイント
- 直感的な操作性
- サポート体制の手厚さ
- カスタマイズ対応の柔軟さ
- 導入効果
- テレワーク下の業務効率化
- ユーザー主体の活用定着
- セキュリティと利便性両立
また、対面での承認作業が前提となっていたため、テレワーク環境に適していなかった。同社はSnowflakeを中心としたデータ基盤を構築し、BIツールについては用途別に役割を分離。不特定多数の業務ユーザー向けのデータ抽出基盤としてWebQuery/FreeWayを採用した。
承認フローのオンライン化と操作性の向上により、データガバナンスを維持しながら、柔軟で効率的なデータ活用環境を実現している。
導入背景と課題
~既存BIと業務運用の限界~
同社では、データの管理・蓄積においては一定の整備が進んでいたものの、データの集約は一部のシステムに留まり、業務システムごとに個別にデータが管理・利用されている状況にあった。
そのため、部門を横断してデータを組み合わせて活用することが難しく、全社的なデータ活用の高度化には限界が見え始めていた。こうした背景から同社では、システムごとに分散したデータを横断的に活用できる基盤の構築を検討し、SaaS型データプラットフォームであるSnowflakeの導入を視野に入れたデータ基盤の刷新に着手した。
一方で、既存のBIツールについても課題を抱えていた。操作性の分かりづらさや機能過多の影響から、ユーザーによる分析活用は進まず、本来期待されていた分析用途ではなく、実質的にはデータ抽出用途としての利用に留まっていた。また、必要なデータを柔軟に取得できないことから、既存帳票に依存した非効率な運用も発生していた。さらに、銀行業務においてはセキュリティの観点からデータ持ち出しの統制が厳格に求められており、上長承認を伴う運用が必須となっていた。しかし従来は対面での承認作業が前提であったため、リモートワーク環境では承認プロセスが滞り、業務効率低下の要因となっていた。こうした課題を踏まえ同社では、「多くの業務ユーザーが利用できる環境の整備」「データ持ち出し統制の強化」「データ抽出ツールの操作性向上」「運用コストの最適化」といった観点からBI環境の抜本的な見直しを実施した。その中で、BIツールの役割を「分析用途」と「データ抽出用途」に分離し、業務部門で日常的に利用するデータ抽出基盤としてWebQuery/FreeWayの採用を決定した。
上長承認アプリ連携による業務プロセス改革
~テレワーク環境下の業務効率化を推進~
業務の特性上、個人情報を含むデータの取り扱いに対する統制は極めて重要であり、同社ではデータ抽出時の上長承認を全社共通の運用として徹底している。従来は、上長が担当者と同席し、直接操作を行うことで承認を完了させる必要があった。そのため、リモートワークの拡大に伴い、承認プロセスが滞りやすく、業務効率の低下が課題となっていた。
今回の取り組みでは、WebQuery/FreeWayと連携した上長承認アプリを構築し、ブラウザ上で申請・承認が完結する仕組みへと刷新した。担当者がデータ抽出処理を実行後、社内チャットで承認依頼を行い、上長が確認・承認したデータのみをダウンロード可能とすることで、ガバナンスを維持しながら効率化を実現している。これにより、申請者・承認者ともに場所に依存しない運用が可能となり、テレワーク環境下でも業務スピードを維持したデータ活用を実現した。
加えて、参照できるデータの権限制御はFreeWayフィルター機能を利用しユーザーごとに制御し、セキュリティと利便性を両立している。ログの統合により監査証跡の可視化も可能となり、内部統制の強化にも寄与している。
さらに、スケジュール実行機能により定型業務の自動化が進み、現場の業務負荷軽減にもつながっている。

オリックス銀行株式会社 システム第一部の皆様
更改から活用までを見据えたBI導入支援
~ユーザー主導の活用を実現~
BI環境の更改にあたり、同社は単なるシステム刷新にとどまらず、ユーザーの早期活用と定着までを見据えた取り組みを推進した。本プロジェクトにおいては、システムコンサルタントが導入から活用定着までを一貫して支援した。リリース前には操作手順書の整備と操作説明会を実施するとともに、集合研修をWeb/オンサイト同時開催で展開した。オリジナルテキストの配布により理解促進を図り、延べ約300名が参加した。
さらに、帳票移行においてはユーザー主体での対応を前提とし、手順書整備により自立的な移行を支援。移行期間中は常駐型ヘルプデスクによる迅速な問い合わせ対応を行い、初期段階の不安解消と円滑な立ち上げを実現した。こうした支援により、ユーザー自身が操作を習得しながら活用イメージを具体化できる環境を構築。運用移行後も現場主導でのデータ活用が定着し、スムーズな移行と早期活用の実現につながった。
導入の決め手となった機能
BIツールの選定にあたり、複数の観点から比較検討が行われた。特に、データガバナンスの観点から必須であった上長承認フローへの対応において、「要件に応じた柔軟なカスタマイズが可能だったことが大きな評価ポイントだった」と担当者は振り返る。また、データ基盤として採用していたSnowflakeとの連携についても、「当社の要件に沿った形で実現できたことが導入の決め手になった」という。
さらに、ユーザー部門からは「直感的に操作できるため、現場でもスムーズに活用できる」と操作性の高さが評価された。導入後のサポートにおいても迅速な問い合わせ対応が行われるなど、運用面での安心感も採用理由の一つとなった。また、スケジュール実行機能は、「日々の業務効率化に繋がっている」とユーザー部門から高い評価を得ている。
Snowflake対応とDB ユーザ切替による安全なデータ活用
SaaS型データプラットフォームとしてSnowflake を採用する中でWebQuery/FreeWayからの接続を可能とし、データ抽出業務を中心としたユーザーへの活用を推進した。各基幹システムのデータをSnowflakeに集約し、全社共通のデータ活用基盤として整備することで、部門横断でのデータ利活用を実現している。アクセス制御については、FreeWayのフィルター機能により、利用部門や用途に応じた柔軟な権限制御を実現。
また、WebQueryはセキュア環境からのみ接続可能とすることで、機密データへのアクセス経路を限定している。さらに、データ抽出用途と分析用途で利用環境を分離し、分析用途においてはSnowflake 側のマスキング機能を活用することで、用途に応じた適切なデータ制御を実施。これにより、利便性と統制の両立を図った安全なデータ活用基盤を構築している。
今後は「さらなる運用最適化と利便性向上」を期待
今後の活用について担当者は、「必要な時に必要な分だけデータを抽出できる環境を目指し、システム面を含めた運用最適化を進めていきたい」と述べている。現場主導でのデータ活用が定着しつつある中、より効率的かつ柔軟な運用への期待は大きい。一方で、製品面に対する要望としては、エラーメッセージの日本語化が挙げられている。
これまでにも、営業日カレンダーを活用したバックグラウンド実行や文字コード対応など、現場からの要望が製品改善に反映されてきた。こうした取り組みを評価し、今後は新たな機能や改善内容を見据えながら、さらなる業務効率化や活用範囲の拡大、データ活用基盤の強化を図るため、バージョンアップも視野に入れて活用を進めていく。
構成図
会社概要
設立:1993年8月23日 | ![]() |
