IT資産の移行を一括変換ツールを用いて限られた期間内で実現
株式会社りそなホールディングス様
- 背景・課題
- 情報系システムのオープン化にともなうEUCツールの刷新
- 自社開発したEUCソフトのコストの肥大化
- 集積する情報が限られており、分析できる範囲が狭い
- 導入ポイント
- Excelとの親和性が高いユーザビリティ
- 既存IT資産の有効活用が可能だったこと
- 信頼性が高い純国産の製品だったこと
- 効果
- 各拠点の行員によるデータ分析を実現
- 新機能や新環境への柔軟な対応
- 新たなデータ分析や他システムへの展開
オープン化にともない、攻めの新システムへの移行を実現
りそなホールディングスは2014年11月に情報系システムをオープン化し稼働させた。情報系データを利用する3行約60部署では自社開発したEUCソフトを使ってデータ分析を行っていたが、システムの刷新にともないシステムコンサルタントのBIツール「Excellent」に全面移行した。
Excelとの親和性が高いユーザービリティと純国産製品ならではのサポート力、そして金融業界において利用実績が多く信頼性の高いツールを採用することで、各拠点の行員が自由かつセキュアにデータ活用できる環境をExcellentのGUI機能とAPI機能で作成したプログラムで構築した。また大量の既存IT資産の中で重要な資産を残しつつ、不必要なものをユーザー自身の手で棚卸しすることに成功。移行対象の資産もシステムコンサルタントが作成した一括変換ツールを用いたことで、限られたスケジュール内での移行を実現した。
プロジェクトスケジュール
変化の激しいIT環境に迅速かつ柔軟に対応できるツールを検討
「移り変わりが早いIT環境に迅速に対応するには、自社開発のEUCソフトでは運用コストの肥大化が課題であった。今回オープン基盤に替わることで選択肢が広がり様々なソフトが使えるようになったため、その中で一般的に広く使われている市販ソフトを利用したいと考えていた。」と、IT企画部グループリーダー亀岡修氏はツール導入の経緯を語る。
さらに亀岡氏はポイントを次のように語った。
「条件として新しい環境にも迅速かつ柔軟に対応できるのはもちろん、パワーユーザーのニーズに応えるため、高度な分析機能を備えているツールを採用する必要があった。」
BIツールの選定を進めた結果、最終的にシステムコンサルタントの「Excellent」が採用された。導入時のポイントをIT企画部長である野口幹夫氏は次のように述べた。
「Excellentの操作性とレスポンスの良さが導入の決め手となった。その他のBIツールも候補に挙がっていたが、純国産製品であること、製品のカスタマイズや障害時の対応が早く安心できることを考慮して、Excellentを採用した。」
既存のIT資産を独自に開発した一括変換ツールで移行
既存システムの資産(以下、検索条件式)が大量にあったため、利用部門は移行にあたりEUCソフトで使用されている検索条件式の洗い出しと絞り込みを行う必要があった。約1年をかけて、20,000個の検索条件式を最終的には6,000個にまで棚卸しすることに成功。移行対象となった6,000個については、より重要な1,700個をフェーズ1で、残りの4,300個をフェーズ2で移行する、という2つのフェーズに分けて移行を実施した。
移行の要となったのが、システムコンサルタントが独自に開発した一括変換ツールだ。システムコンサルタントは以前より他社ツールから当社BIツールへの移行を得意としており、今回のプロジェクトではこれまでに培ってきた移行ノウハウが大いに役立った。
IT企画部グループリーダーの佐々木隆一氏は移行作業が円滑に進んだポイントをこう語る。
「プロジェクト当初は、ユーザー自身に一から検索条件式を作り直させるため、相当の移行期間やマニュアルを設ける必要があった。しかし一括変換ツールのおかげで、6,000個の移行をスケジュール通りに終えることができた。外部機関に提出する重要計数の条件式や20年以上も使い続けていて仕様が不明な検索条件式も多くあり、どうしても棚卸しが難しい資産があったが、それらの検索条件式を漏れなく移行できたことは大きい。」
システムテスト時の問題も純国産ならではのサポート力で迅速に解決
既存資産の移行は順調に進んだが、システムテスト時にデータ検索のレスポンスで問題が発生した。調査の結果、高性能のデータベースのパフォーマンスをさらに活かす方法が判明した。システムコンサルタントは純国産ならではのサポート力で迅速にソースを修正して対処した。
「対応が早くサポート力が高い製品だと再認識した。ワンストップサービスならではのメリットが発揮されたケースだと思う。」と亀岡氏は語る。
ユーザーからの要望に対する機能アップにも期待
2014年11月の稼働後について野口氏は、「ExcellentはExcelとの親和性が高く、直観的操作のためユーザーへの浸透が早かった。」と述べた。
また今後の課題として「浸透が早かった分、Excellentへの要望や期待も多い。例えば、銀行特有の営業日を意識した日付設定が出来るとさらに業務効率が上がる。こういった要望についても、今後の拡張内容として検討いただきたい。」と期待を寄せている。
システムコンサルタントはすでにこれらの要望について次期バージョンで取り入れる予定となっており、純国産製品ならではのフットワークを活かしてお客様のニーズに応えている。
システムイメージ
会社概要
株式会社りそなホールディングス
IT企画部の皆様
(中央) IT企画部長 野口幹夫氏
(左) IT企画部GL 亀岡修氏
(右) IT企画部GL 佐々木隆一氏
設立: | 2001年12月12日 |
---|---|
本社: | 東京都江東区木場1丁目5番65号 深川ギャザリアW2棟 |
資本金: | 504億円 |
URL: | http://www.resona-gr.co.jp/ |
ユーザー: | りそな銀行・埼玉りそな銀行・近畿大阪銀行の 3行54部署の全行員(約17,000名) |
サーバー: | Windows Server 2012 |
導入DB: | Microsoft SQLServer SSD Appliance |