ユーザー教育の実施は、導入したBIツールの効果を高める上で重要です。
この記事では、BIツール導入におけるユーザー教育の重要性や効果的な進め方、また実践事例についてご紹介します。
お役立ち資料「BIツール活用のためのユーザー教育ガイド」
BIツール導入におけるユーザー教育とは
ユーザー教育の目的
BIツール導入におけるユーザー教育の目的は、ユーザーが正しい知識を身に付けることでBIツールを社内に普及させ、業務を効率化することです。
BIツールは様々な業種・職種で利用されます。そのためこの目標をベースに、さらに業種・職種に応じた具体化された目標が立てられると思います。
ユーザーへの教育を怠ると、導入後に「使い方が分からないから使わない」という事態に陥るリスクがあります。
ぜひユーザー教育の重要性を意識し、ユーザーが業務でBIツールを使いこなすためのプロセスを考えてみてください。
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ユーザー教育で得られる効果
データを用いる業務を効率化できる
BIツールの使い方を学ぶことで、ユーザーの業務はもちろん、システム管理者に依頼されていたデータ関連業務が削減されるため、管理者の負担も軽減されます。
ミスを削減できる
手で行っていたデータ入力作業を減らし自動化することで、作業の一貫性を担保できます。
意思決定の質を向上できる
データをリアルタイム・正確に把握できるようになるため、迅速に対応を決定できます。
ユーザー教育の進め方
Step1 教育計画を立てる
ユーザー教育に限った話ではありませんが、計画の作成はとても重要なプロセスです。
関係者とユーザー教育の目的を共有し、可能であればたたき台をもとに複数人でブラッシュアップを繰り返し行いましょう。
スタート時点で「教育の効果が出る」と思える計画が作成できると、この後の手順が進めやすくなります。
Step2 教育カリキュラムを作成する
計画が固まったら、続いてカリキュラムの作成を行います。
教育の中身や実施に必要なもののリストアップなど、細かな部分を決めていきましょう。
Step3 準備作業
Step1・2に基づいて、準備を行いましょう。
ユーザー教育をどのように行うかで、準備の内容は変わってきます。
例えば対面のセミナーであれば、会場準備やリハーサルが必要です。
また受講者が実際に手を動かして学習するのであれば、PC設定も確認しましょう。
eラーニングであれば動画の作成やeラーニングサービスへの登録などが作業として挙げられます。
Step4 教育を実施する
準備ができたら、ユーザー教育を実施します。
その際、以下を確認しながら教育を行いましょう。
- ユーザーが内容を理解できているか
- 基本的な機能や使い方、用語を理解しているか
- 業務での使いどころをイメージできているか
- 実施の進捗はどうか
- 学習の妨げになっている部分はないか
- 期限までに学習が終了できるペースか
Step5 効果測定・フォローを行う
実施の効果を測定すると、今後のユーザー教育に対する検討材料を手に入れることができます。
測定方法については以下のカートパトリックモデルを参考に検討するのがおすすめです。
カートパトリックモデル
教育前後の変化を投資効果として評価するために、その効果を4段階でまとめたもの。
アメリカの経営学者ドナルド・カークパトリック(Donald Kirkpatrick)によって1959年に公表された。
(参考)https://www.kirkpatrickpartners.com/the-kirkpatrick-model/
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ユーザー教育の実践事例
受講内容で利用権限が決まる認定制度を導入
ある自動車メーカーのお客様は、教育対象者に関心や業務に応じて受講コースを選択してもらうことで学習意欲を高め、また受講したコースに応じてBIツールの利用権限を付与し、業務における活用を促進しました。
業務ナレッジ・ITスキルを熟練者から社内に展開
この金融企業のお客様では、まずBIツール推進部門がセミナーを受講し、BIツールの基本機能や、業務で使う機能・使わない機能の見極めをしました。
その後、各業務部門の業務に精通した中堅以上の社員を教育担当とし、業務に応じたBIツールの使用方法を習得させました。各教育担当者はそれぞれの業務部門・営業店に対して教育を行い、業務におけるBIツールの使い方やノウハウを伝え、BIツールを浸透させていきました。
ユーザー教育を効果的に実施し、業務効率化につなげよう
ユーザー教育はBIツール導入における最後の重要なプロセスです。
データ活用できる人材が増えると、業務における気づきが増えたり、ビジネスの発展も起こりやすくなります。
ぜひ実施による効果を意識しながら、ユーザー教育に取り組んでみてください。