データマネジメントとは、読んで字の如く、「データを管理する」という意味です。
それでは、データがきちんと管理された理想的な状態とは、どのような状態でしょう?
また理想的な状態にすることで、得られる効果とは何でしょう?
この記事ではデータマネジメントの意味やメリット、実施する上でのポイントや事例をご紹介します。
お役立ち資料「データマネジメント基礎知識」
データマネジメントとは
現代のビジネスの意思決定において、データは重要かつ不可欠です。
そのため企業の中にはさまざまなデータが存在します。
しかしデータに関する以下のような課題はないでしょうか。
- 使いたいデータがどこにあるのかわからない
- データの保存ルールが曖昧
- 蓄積されたデータはあるが、意味合いがよくわからない
- システム検索のレスポンスが悪い
これらを解消し、データをビジネスに活用するべく、データの質や状態を維持し、進化させるための管理・運用を組織的に行うことが、データマネジメントです。
データマネジメントのメリット
データの取捨選択/整理がスムーズになる
基準なく何でもかんでも保存してしまうと、
「ここに入っているかもしれないけど、どんな状態でしまわれているのかわからない」
「とりあえずしまったけど、必要な情報が含まれているかわからない」
という事態はデータに限らずよくあります。
データの形式や保管の基準などルールを設けることで、データの質を保ちつつ、整理することができます。
必要なデータを素早く見つけられる
お客様にお話を伺うと、「データ活用するまでの準備に時間がかかる」というお悩みをお聞きします。
実は「データ分析は準備が8割」と言われるほど、データの準備に時間がかかります。
データマネジメントを行えば、準備時間を適切に削減し、データ検索を効率よく行えるようになります。
セキュリティ対策を適切に行える
顧客に関するデータなど、データの中には慎重に扱わなければならないものがあります。
またリモートワークの普及により、オフィス外で社内データを扱う機会が増えています。
センシティブなデータをきちんと把握しておけば、関係者しかアクセスできないようにするなどの対策が立てられます。
また万が一、情報漏洩などの事故が起こった場合でも、どのように保管・運用されていたのか把握していれば、迅速な対応が行えます。
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理想的なデータマネジメントの状態
基本的には以下の4つを満たした状態が理想的とされています。
- 欲しいデータがすぐに見つかる
- データ同士の関係性がわかる
- 管理のルールが周知されている
- 更新履歴がわかる
上記を踏まえた上で、自社における理想のデータ活用状況を具体的に想像できると、どう施策を進めていけばいいかがわかりやすくなります。
データマネジメント実施する上でのポイント
組織で取り組む
全社でデータを活用できる環境を目指すのであれば、組織での運用体制をつくることが必要です。
特に経営層の理解があると、データマネジメントを全社で推進しやすくなります。
また自社の業務に対する最大の理解者は自社の社員です。
データがどんな目的でどう使われているのか、社内で意味合いを共有するようにしましょう。
誰がどのようにアウトプットしたいのかがわかっていると、データベースやシステムの設計もやりやすくなります。
目的を明確にする
繰り返しになりますが、データ分析は準備に時間がかかります。
そのため一朝一夕でデータを活用する環境は作れません。
実施する意味を見失わないためにも、目的は明確にしておきましょう。
その際、データを使用するユーザーがデータやツールに対し、どの程度の知識やスキルを持っているのか把握しておくと、達成までのステップが考えやすくなります。
スモールスタートではじめる
組織で取り組む必要はあるものの、いきなり全社規模で行うのは大変です。
少人数で、なるべく小規模な範囲・システムから着手するとよいでしょう。
スモールスタートで知見を蓄積し、うまくいくようになったら徐々に対象範囲を広げていきましょう。
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弊社における実践事例
用途別に集計テーブルを作成し、検索レスポンスを向上
食品製造業を営んでいるこのお客様は、基幹システムから伝票に近い出荷データを使ってデータ活用を行っていました。
しかしデータのサイズや件数が膨大であったため、検索に時間がかかったり、場合によってはタイムアウトしてしまうことが課題となっていました。
そこで週報・月報など報告の単位に応じた集計テーブルを作成し、検索に必要な範囲を限定しました。
その結果、会議中にすぐデータを確認したり、データを活用して翌日の生産計画の立案がスムーズに行えるようになりました。
データ活用を行うための環境を整えよう
データ活用のためのツールは、世の中にたくさんあります。
しかし操作が簡単なツールを導入しても、ユーザーがデータの意味を理解していなかったり、
そもそものデータの質が悪かったりすると、データ活用はうまくいきません。
業務における新たな発見や意思決定、情報共有などをスムーズに行うための環境を整えるために、データマネジメントを実践していきましょう。