帳票作成・管理のコツ!誰でも使いやすい方法を考えよう

帳票作成はビジネスで必ず発生する業務です。しかし時間をかけて作成した帳票が徐々に使われなくなったり、過去の帳票を見返したくてもどこにあるのかわからない、ということはないでしょうか。

この記事では使いやすい帳票を作成するための手順や管理のコツ、帳票作成・管理に役立つツールなどをご紹介します。

帳票とは

「帳票」という名称自体は、会計・経理用語である帳簿と伝票の総称に由来します。帳簿は取引の結果を記録するために、伝票は取引を行ったことを証明するために作成されます。

しかし現在では経営にかかわるさまざまな文書が、まとめて帳票と呼ばれています。「帳票」の意味が拡張されつつある背景としては、データ分析や可視化による客観的な情報共有の重要度が、ビジネスの意思決定を行う上で高まっているからだと考えられます。

そのためこの記事では、会計・経理に関する文書以外の、以下のような文書も帳票として取り扱います。

  • 売上や施策などの結果報告書
  • 在庫や業務の進捗などの管理表
  • 出荷などの指示書
  • 請求書・受領書
  • 各種明細書

帳票の目的

帳票を作成・使用する目的は、情報の可視化です。

例えば帳票を用いて情報を可視化することで、異なる期間や部門、地域などのデータを比較・評価できます。またグラフや表を用いて数値をビジュアライズすることで、直感的な把握や情報の共有がしやすくなります。さらに帳票を適切に作成しておけば、数年後に見返しても、当時の状況を把握することが可能です。

このように、収集したデータを帳票という形で整理・表現することは、分析や報告、記録などに役立ちます。

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帳票作成における課題

作成・管理のルールが決まっていない

昨今、帳票が簡単に作成できるツールも数多くありますが、作成・管理のルールが決まっていないと帳票が無尽蔵に増えてしまったり、誰がどんな目的で作ったのかわからない帳票が出てきてしまいます。

業務の変化に合わせて帳票の改修がしづらい

帳票の管理を情報システム部や外部のベンダーに依頼している場合に多い課題です。業務に合わせてもっと帳票を使いやすくしたいと思っても、依頼に手間がかかったり、細やかな修正が難しいことも多々あります。

作成に手間と時間がかかる

複数のデータソースのデータをひとつの帳票にまとめたり、データソースのデータとまとめたいデータの切り口が異なったりする場合、手動での作業が発生し、帳票の作成効率が悪くなってしまいます。

帳票作成の手順とコツ

帳票作成の手順

Step1 目的と利用者を明確にする

まず帳票を作成する目的と、誰が利用するのかを明確にしましょう。これらをきちんと言語化することで、帳票を使いやすくするために必要な観点や情報の粒度が分かり、どのようにデータを表現すればいいかが考えやすくなります。

Step2 必要な情報を収集・整理する

Step1をもとに帳票作成に必要な情報を収集し、帳票が使いやすくなるよう整理をしましょう。

情報の整理とは、以下のような作業を指します。

フィルタリング集計や分析に適した形にするため、条件を決めて不要なデータを取り除きます。
加工データやファイルのフォーマットを変換して分析できるようにしたり、データのクレンジングで不要なデータを排除したりします。必要に応じてマスキングでデータの匿名化を行い、機密情報を保護します。
計算数式や関数を使って合計値や平均値、割合など、帳票に必要な指標を生成します。
グループ化・集計データを特定のグループに分類して集計を行います。グループ化した上で集計を行うと、グループごとのパターンや傾向が把握しやすくなります。
ビジュアル化必要に応じてグラフやチャート、表などでデータを表現します。ビジュアル化は特にパターンや傾向の把握、データ同士を比較する際におすすめです。

Step3 帳票のデザインを考え、テンプレートを作成する

帳票に必要な要素が用意できたら、帳票のデザインを考え、テンプレートを作成しましょう。ここではテンプレートを作成する際のポイントを4つご紹介します。

①情報を絞り込む

まず原則として、使用目的に対して不要な情報は帳票に盛り込まないようにしましょう。例えば情報を簡潔に知りたい場合、詳細なデータを用意しても確認されず、場合によっては視認性を下げるノイズとなってしまいます。使用目的に対して適切な粒度で情報を記載しましょう。

また余分な装飾も視認性を下げるノイズになります。伝えるべき情報が伝わるよう、本当に目立たせたいところだけ色をつける、余分な線は引かない、行や列の幅を統一するなど、視覚情報の量も適切に調整しましょう。

②情報のまとまりを意識してレイアウトする

使いやすい帳票を作成するには、情報のまとまりを意識してレイアウトを行うことも重要です。関連する情報同士を近くに配置することで、情報の関連性がわかりやすく、視認性が向上します。

③出力形式を考慮する

紙、PDF、Excel、ツールの画面上など、帳票を確認する媒体はいろいろあります。出力形式を意識しないと、例えば帳票が思ったように印刷されなかったり、データが画面に収まらず、確認しにくくなってしまいます。テンプレートを作成する際は帳票の出力形式を意識して、デザインを調整しましょう。

④セルを結合しない

Excelで帳票を作成する場合、見た目を整えるためにセルを結合してしまうと、コピー&ペーストやセルの並び替えができず、使いにくくなってしまいます。Excelで帳票を作成する際は、セルの結合はしないようにしましょう。

Step4 データをテンプレートに組み込む

表示したいデータがテンプレートの対応する箇所に表示されるよう組み込みます。その後、帳票を出力して、データの表示に問題がないかを確認しましょう。

帳票管理におけるコツ

目的を周知する

帳票の管理は、帳票の整理や保管、また必要な人が必要な時に適切な帳票にアクセスできるようにするために重要です。「なぜこのように管理するのか」を意識し、その目的を周囲の人にも理解してもらうことで、帳票管理をスムーズに行えます。

定期的に帳票の棚卸しをする

定期的に帳票の棚卸しをして、使われなくなった帳票や不要な帳票を削除しましょう。

帳票によって法律で保管期間が定められているため、それらの帳票は誤って削除しないよう、注意が必要です。

【参考】No.5930 帳簿書類等の保存期間(国税庁)

適切なフォルダ分けを行う

類似した帳票や関連性のある帳票ごとにフォルダ分けを行うことで検索が容易になることもありますが、分類が細か過ぎると、業務の変化に伴ってフォルダ構成を変えたいときに、作業が煩雑となってしまいます。

場合によってはざっくりとしたフォルダ分けを行い、必要な帳票を全文検索で探した方が早い場合もあります。

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帳票作成に使えるツール

Excel

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帳票作成専用ツール

帳票作成専用ツールは、レイアウト設計やデータ抽出をノーコードで行うことができます。すでにある帳票をツール上で使いたい場合、既存の帳票データを移行できるツールを選ぶと効率よく移行できるため便利です。

BIツールの帳票作成機能

BIツールで帳票作成を行う場合、データ分析結果をそのまま帳票に出力できるので効率的に作業できます。また同じデータソースから分析と帳票作成を行うため、データの信頼性が高くなります。

帳票に関する課題の解決事例

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誰でも使いやすいように帳票を作成・管理しよう

経営や業務上の判断を行うために、帳票は重要な文書です。帳票を用いる目的を意識することで、帳票の適切な作成・管理がしやすくなります。本記事でご紹介したコツが、皆様の帳票作成・管理にお役立ていただければ幸いです。

また弊社では帳票ツールとしても使いやすいBIツールを開発・販売しております。ご興味のある方はぜひ、資料をダウンロードしてみてください。

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